この記事では、MLBの各球団が本拠地にしている球場を一覧で紹介します。
MLBの球場は、古き良き100年以上の歴史もあり、どの球場も個性豊かです。
この記事を読めば
- MLBの各球団の本拠の球場
- MLBの各球場の大きさ
- MLBの各球場のファンを飽きさせない工夫や特徴
を知ることができます。
ぜひ、最後まで読んでMLBの球場の魅力を知ってください。
- MLB球場一覧:アメリカン・リーグ編
- エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム(Angel Stadium of Anaheim)
- オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム(Oakland-Alameda County Coliseum)
- T-モバイル・パーク(T-Mobile Park)
- グローブライフ・フィールド(Globe Life Field)
- ミニッツメイド・パーク(Minute Maid Park)
- ギャランティード・レート・フィールド(Guaranteed Rate Field)
- プログレッシブ・フィールド(Progressive Field)
- コメリカ・パーク(Comerica Park)
- カウフマン・スタジアム(Kauffman Stadium)
- ターゲット・フィールド(Target Field)
- オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ(Oriole Park at Camden Yards)
- フェンウェイ・パーク(Fenway Park)
- ヤンキー・スタジアム(Yankee Stadium)
- トロピカーナ・フィールド(Tropicana Field)
- ロジャーズ・センター(Rogers Centre)
- MLB球場一覧:ナショナル・リーグ編
- チェイス・フィールド(Chase Field)
- クアーズ・フィールド(Coors Field)
- ドジャー・スタジアム(Dodger Stadium)
- ペトコ・パーク(PETCO Park)
- オラクル・パーク(Oracle Park)
- リグレー・フィールド(Wrigley Field)
- グレート・アメリカン・ボール・パーク(Great American Ball Park)
- アメリカンファミリー・フィールド(American Family Field)
- PNCパーク(PNC Park)
- ブッシュ・スタジアム(Busch Stadium III)
- トゥルーイスト・パーク(Truist Park)
- ローンデポ・パーク(LoanDepot Park)
- シティ・フィールド(Citi Field)
- シチズンズ・バンク・パーク(Citizens Bank Park)
- ナショナルズ・パーク(Nationals Park)
- まとめ
MLB球場一覧:アメリカン・リーグ編
MLBの球場巡りは、野球ファンにとって夢のような体験です。
各球場には、その地域ならではの歴史や文化が息づいており、試合を観るだけでなく、その土地を深く知ることができます。
アメリカン・リーグの球場を訪れる際は、その球場独自のアトラクションや食事も楽しんでみてください。
野球の試合とともに、地元の味や文化に触れることで、より豊かな観戦体験ができるでしょう。
球場ごとの個性を感じながら、あなたのお気に入りのチームを応援しましょう。
エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム(Angel Stadium of Anaheim)
本拠にする球団:ロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)
開場年 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
1966年4月19日 | アナハイム市 | 45,050人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
330 ft. 約100.6 m | 387 ft. 約118.0 m | 400 ft. 約121.9 m | 370 ft. 約112.8 m | 330 ft. 約100.6 m |
通称は「The Big」 や「The Halo」
1966年、リグレー・フィールドやドジャー・スタジアムを本拠地にしていたエンゼルスが移転し、「アナハイム・スタジアム(Anaheim Stadium)」の名称でオープンしました。
ダッグアウトは、ホームとなるエンゼルスが3塁側を使用し、アウェーチームが1塁側を使用します。
BIG Aと呼ばれる、アルファベットのAを象った巨大なスコアボードが、ライトスタンド後方の駐車場に立っています。
センターの奥に巨大な岩と滝があり、これはディズニーが親会社だった時に出来たものです。
地元チームの選手がホームランを打つと、約27メートルの高さまで火が勢いよく噴き、花火も打ち上がり、視覚で楽しめる仕掛けが盛りだくさんです。
オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム(Oakland-Alameda County Coliseum)
本拠にする球団:オークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
1966年9月18日 | オークランド市、アラメダ郡 | 35,067人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
330 ft. 約101.0 m | 388 ft. 約118.0 m | 400 ft. 約122.0 m | 388 ft. 約118.0 m | 330 ft. 約101.0 m |
通称:オークランド・コロシアム(Oakland Coliseum)
1966年に「オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム(Oakland-Alameda County Coliseum)」という名称でオープンしました。
その後、何度か命名権契約が結ばれ、その都度名称が変わりましたが、2020年に元の名称に戻りました。
ダッグアウトは、アスレチックスが3塁側を使用し、ビジターチームが1塁側を使用します。
フットボールとの兼用球場ということもあり、MLBの球場の中ではファウルグラウンドが最も広く、ファウルフライが守備に捕られてアウトになることが多いです。
また、ホームランも出にくい傾向にあり、投手に有利な球場です。
ブルペンもファウルグラウンドにあるが、小さなベンチと屋根がフェンスに設置されただけの簡素なもので、風雨が容赦なく吹き込んできます。
T-モバイル・パーク(T-Mobile Park)
本拠にする球団:シアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
1999年7月15日 | Washington-King County Stadium Authority | 47,116人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
331 ft. 約100.9 m | 378 ft. 約115.2 m | 401 ft. 約122.2 m | 381 ft. 約116.1 m | 327 ft. 約99.7 m |
1990年代に入り、マリナーズの本拠地球場の老朽化のため、新球場建設を決定しました。
1995年、州議会で、新球場建設資金提供法案が可決され、地元自治体の支援を受け建設することになりました。
1998年に、地元の保険会社セーフコが命名権を買い取り、球場名は「セーフコ・フィールド」になりました。
2018年、T-Mobile USが25年間の命名権を取得し、「T-モバイル・パーク」となりました。
シアトル特有の湿った気候により、打球が失速しやすく長打が出にくとされています。
開閉式の屋根がついていて、雨が多いシアトルでも天候を気にすることなく、試合を行うことが可能です。
フィールドが広く、とりわけ左中間が深いため、守備範囲が広い強肩の外野手が求められ、右打者は苦戦します。
センター奥の広場はザ・ペン『T-Mobile ‘Pen』と呼ばれ、試合の2時間前にオープンしています。
ザ・ペン『T-Mobile ‘Pen』では、3つのAR体験ができます。
- Batter’s Box: バッターボックスで、バーチャルな投手が投げるボールを打つことができます。
- Strike Zone: 自分がピッチャーになり、マウンドから球を投げます。
- Bobble Booth: バーチャルでシアトル・マリナーズのボブルヘッドに変身することができます。
ここからは、障害物なしにフィールドを見渡すことができるようになっています。
T-Mobile Park では、ハンバーガー、バーベキュー、メキシカン、中華、寿司、アイスクリームなど、バラエティ豊富な食事が楽しめます。
グローブライフ・フィールド(Globe Life Field)
本拠にする球団:テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)
開場 | 所有者 | 収容人数 |
---|---|---|
2020年7月24日 | テキサス州アーリントン | 40,300人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
329 ft. 約100.3 m | 372 ft. 約113.4 m | 407 ft. 約124.1 m | 374 ft. 約114.0 m | 326 ft. 約99.4 m |
2016年、レンジャーズは、「グローブライフ・パーク・イン・アーリントン」を退去すること決めました。
来場者数が少ないのは、この地域の気温が高く雨の日が多いためで、新球場は屋根付きであるべきだとレンジャーズが考えたためです。
新球場は、官民共同で屋根付き球場が建てられることとなり、ショー・スポーツ・ターフの人工芝を敷くこととしました。
MLBにおいて、本拠地に人工芝を使用しているのは、レンジャーズを含め4球団のみです。
テキサス州では気温が高く、空気が乾燥していることから、ボールが飛びやすい打者有利の球場です。
前本拠地と比べて左中間フィールドが浅く、センター方向が深くなっています。
全体的にコンパクト化しており、収容人数も大幅に減っています。
外野センター後方の北ゲート近くにチーム・ストアがあり、試合が無い日でもオープンしています。
ミニッツメイド・パーク(Minute Maid Park)
本拠にする球団:ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)
開場 | 所有者 | 収容人数 |
---|---|---|
2000年3月30日 | ハリス郡、Houston Sports Authority | 41,168人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
315 ft. 約96.0 m | 362 ft. 約110.3 m | 409 ft. 約124.7 m | 373 ft. 約113.7 m | 326 ft. 約99.4 m |
別称:The Juice Box
世界で3番目の開閉式屋根付き天然芝野球専用球場です。
開場当初はエンロン・コーポレーションとの命名権取引成立により、エンロン・フィールド(Enron Field)と名乗っていましたが、同社が経営破綻したため、2002年3月からの4か月間は暫定的に「アストロズ・フィールド(Astros Field)」に改称されました。
その後、コカ・コーラ社が命名権を獲得し、同社のジュース「ミニッツメイド」から現在の球場名が名付けられました。
ヒューストンでは、真夏の気温が40度を超えることもあり、野球観戦に屋根は必須です。
ユニオン駅(Union Station)という、歴史的建造物が隣接していて、外野は左翼が右翼に比べて浅く、左中間にもふくらみがありません。
駅の跡地であることにちなみ、外野左中間上方に蒸気機関車があります。
アストロズ選手がホームランを打つと、石炭の代わりにオレンジを積んだ蒸気機関車が汽笛を鳴らしながら線路を走ります。
左中間のバルコニー風の立ち見エリアにガソリンポンプがあり、アストロズ選手が開場以来この球場で放った本塁打の合計が表示されています。
ギャランティード・レート・フィールド(Guaranteed Rate Field)
本拠にする球団:シカゴ・ホワイトソックス(Chicago White Sox)
開場 | 所有者 | 収容人数 |
---|---|---|
1991年4月18日 | Illinois Sports Facilities Authority | 40,615人 |
右翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
330 ft. 約100.6 m | 377 ft. 約114.9 m | 400 ft. 約121.9 m | 372 ft. 約113.4 m | 335 ft. 約102.1 m |
コミスキー・パークの老朽化に伴い、1980年代中頃に建造開始しました。
2003年、USセルラー社が命名権を買い取り、「USセルラー・フィールド」という名称になりました。
2016年、ギャランティード・レートが命名権を取得し、「ギャランティード・レート・フィールド」に名称を変更しました。
左右対称に近いフィールド形状となっておりいます。
左中間と右中間の膨らみがあまりなく、フェンスも2.4mと低いため、本塁打が出やすいです。
ホワイトソックスが3塁側を使用し、アウェーチームが1塁側を使用します。
ホワイトソックス選手がホームランを打つと、スコアボードの上の7つの風車が大きな音を立てて回り、花火が打ち上げられます。
ホワイトソックスが得点、勝利した時には、巨大なビデオボードから爆音が流れ、風車がまわり、大きな花火が打ち上げられます。
相手チームの投手が降板するとき、地元出身のロックバンド・スティームの『Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye』がオルガンで流れ、ファンが大合唱します。
また、試合終了後には『Sweet Home Chicago』が流れます。
プログレッシブ・フィールド(Progressive Field)
本拠にする球団:クリーブランド・ガーディアンズ(Cleveland Guardians)
開場 | 所有者 | 収容人数 |
---|---|---|
1994年4月4日 | Cuyahoga County | 43,863人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
325 ft. 約99.1 m | 370 ft. 約112.8 m | 405 ft. 約123.4 m | 375 ft. 約114.3 m | 325 ft. 約99.1 m |
クリーブランドは1832年のオハイオ・エリー運河の開通によって工業都市として発展しましたが、1970年代にかけて重工業が衰退し、『湖畔の失敗』と呼ばれました。
そのため、郊外へ流出した地元住民や観光客を呼び戻すため、1980年代にダウンタウンの再開発が始まりました。
その一環として1994年、クリーブランドの一等地に、野球専用球場ジェイコブス・フィールドをはじめとするスポーツ複合施設、ゲートウェイ・スポーツコンプレックスが建設されました。
当初の計画はドーム球場でしたが、住民投票で否決されています。
2008年、クリーブランドの自動車保険会社、プログレッシブ社(Progressive Corporation)が命名権契約を取得し、球場名を「プログレッシブ・フィールド」としました。
球場は、工業都市クリーブランドらしく、白い壁と鉄骨を組み合わせた外観、煙突を連想させるような角張ったデザインの照明灯など、他の新古典主義の球場とは違ったデザインが目をひきます。
センターからレフトにかけて、高さ5.8mのフェンスが立っていて『リトルグリーンモンスター』と呼ばれています。
季節が温暖になると右翼方向へ風が吹くようになるので、左打者の長打が多くなります。
湖に近く、ここで生まれた羽虫が大量にグラウンドを飛び交うため、プレイに影響が出ます。
また、付近にカモメが生息しており、時折グラウンドに降りてくるため、定期的に花火を打ち上げます。
鳴り物による応援は原則禁止のMLBですが、インディアンス主催試合に毎試合太鼓を持って応援に駆けつける熱狂的ファン、ジョン・アダムスに敬意を表し、メジャー球場では唯一鳴り物が認められていて、彼が叩く太鼓の応援は名物です。
コメリカ・パーク(Comerica Park)
本拠にする球団:デトロイト・タイガース(Detroit Tigers)
開場 | 所有者 | 収容人数 |
---|---|---|
2000年4月11日 | Detroit-Wayne County Stadium Authority | 41,070人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
345 ft. 約105.2 m | 370 ft. 約112.8 m | 420 ft. 約128.0 m | 365 ft. 約111.3 m | 330 ft. 約100.6 m |
タイガー・スタジアムの老朽化や駐車場の狭さが問題となり、デトロイトのダウンタウン再開発の一環として建設されました。
コメリカ銀行が命名権を取得し、球場名は「コメリカ・パーク」となりました。
ダグアウトは、タイガースが三塁側を使用し、アウェイチームが一塁側を使用します。
球場があまりに広く、オープンから3試合本塁打が出ませんでしたが、これは1990年以降にオープンしたMLBの球場では初めてのことでした。
そのため、2003年、左中間を395フィート(約120.4メートル)から370フィート(約112.8メートル)へと変更しました。
外野フェンスにいびつな形をした部分があり、クッションボールの処理を誤ると長打になってしまい、三塁打が多い球場です。
タイガースの本拠地ということで、至る所に虎の像があります。
レフトスタンド後方のスコアボードの上に2頭の虎の像があり、タイガース選手がホームランを打つと目が緑色に光ります。
球場内には、ビッグキャットコートと呼ばれる虎のメリーゴーラウンドが設置されて、野球ボールの形をした観覧車もあります。
カウフマン・スタジアム(Kauffman Stadium)
本拠にする球団:カンザスシティ・ロイヤルズ(Kansas City Royals)
開場 | 所有者 | 収容人数 |
---|---|---|
1973年4月10日 | ジャクソン郡 | 37,903人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
330ft. 約100.6m | 385ft. 約117.3m | 410ft. 約125.0m | 385ft. 約117.3m | 330ft. 約100.6m |
1970年代は、アメリカンフットボールとの兼用が可能な多目的スタジアムが全盛でしたが、この球場は当時としては珍しい野球専用球場として建設されました。
1973年の開場時の球場名は、「ロイヤルズ・スタジアム(Royals Stadium)」でした。
1993年、球団の初代オーナー、ユーイング・カウフマン(Ewing Kauffman)の功績を称え、現在の球場名に改称されました。
大規模な改修工事が行われ、2009年に、新装「カウフマン・スタジアム」として生まれ変わりました。
2008年まで、ポール付近以外は外野席がありませんでしたが、外野に98メートルの長さの噴水があり、イニングの合間に照明を浴びた水が吹き出す光景は球場の名物です。
2008年オフの改修でも、噴水を避ける形で外野スタンドが設置され、噴水は残りました。
バック・オニールが残した功績を讃え、バック・オニール・レガシーシートと呼ばれる特別席があり、シートが赤く色分けされています。
ターゲット・フィールド(Target Field)
本拠にする球団:ミネソタ・ツインズ(Minnesota Twins)
開場 | 所有者 | 収容人数 |
---|---|---|
2010年3月27日 | Minnesota Ballpark Authority | 39,504人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
339 ft. 約103m | 377 ft. 約115m | 404 ft. 約123m | 367 ft. 約112m | 328 ft. 約100m |
ツインズは、2009年まで本拠地にしていた「ヒューバート・H・ハンフリー・メトロドーム」の老朽化に伴い、新スタジアム建設を発表しました。
地元にある大型小売店ターゲットが命名権を取得しました。
「ターゲット・スタジアム」は、屋根なし、天然芝が特徴となっています。
ミネアポリスのダウンタウン中心部から西に離れた所にあり、繁華街から気軽に歩いていくことができます。
外壁は、ミネソタで馴染み深い石灰岩カスタストーンが使用されています。
屋根は、ミネソタの大自然に浮かぶ雲をイメージするなど、ミネソタの自然・地域性を最大限尊重しています。
球場の下を鉄道が通るため、鉄道駅としても機能しています。
オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ(Oriole Park at Camden Yards)
本拠にする球団:ボルチモア・オリオールズ(Baltimore Orioles)
開場 | 所有者 | 収容人数 |
---|---|---|
1992年4月6日 | Maryland Stadium Authority | 45,971 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
333 ft. 約101.5 m | 398 ft. 約121.3 m | 410 ft. 約124.9 m | 373 ft. 約113.7 m | 318 ft. 約96.9 m |
球場の名前として、多くの候補に挙がりました。
- オリオールズの本拠地であることがわかりやすい「オリオール・パーク」
- ボルチモアで生まれたベーブ・ルースにちなんだ「ベーブ・ルース・スタジアム」
- 建設地に以前あった操車場の名前からとった「カムデン・ヤーズ」
- 前の本拠地球場と同じ「メモリアル・スタジアム」
球団オーナーは、「オリオール・パーク」を、メリーランド州知事は、「カムデン・ヤーズ」をそれぞれ推し、結果的に両案を組み合わせることになりました。
右中間までが比較的遠い上に、高さ25フィート(約7.6メートル)のフェンスもあり、左打者には本塁打が出にくい傾向があります。
夏場には風の影響でレフト方向への打球が飛びやすくなり、右打者にはやや有利です。
内野の芝は長めにカットされていて、球足が遅くなるので内野手は肩の強い必要があります。
外野右翼席後方に、19世紀の終わりに建てられた『ボルチモア&オハイオ・ウェアハウス(Baltimore & Ohio Warehouse)』というレンガ造りの倉庫があり、その長さは1016フィート(約310メートル)で米国東海岸では最長です。
その建物内部には、球団事務所のほか、カフェテリア、スポーツバー、ギフトショップなどが入居しています。
球場と倉庫の間にユートウ・ストリートと呼ばれる舗道があり、殿堂入り選手のレリーフや永久欠番選手の銅像が飾られています。
この舗道にホームランを打ち込んだ選手は、名前や飛距離などが刻み込まれた金属板が落下地点に埋め込まれます。
球場の近くにベーブ・ルースの生家があり、現在は『ベーブ・ルース博物館』があります。
フェンウェイ・パーク(Fenway Park)
本拠にする球団:ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)
開場 | 所有者 | 収容人数 |
---|---|---|
1912年4月9日 | ボストン・レッドソックス | 37,493 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 中堅最深部 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|---|
310ft. 約94.5m | 379ft. 約115.5m | 390ft. 約118.9m | 420ft. 約128.0m | 380ft. 約115.8m | 302ft. 約92.0m |
現存する最も古いMLBの専用球場です。
都市部の限られた土地に建てられたため、変則的な形状となっていますが、建設当時(1910年代)は、この様な形状がごく当たり前でした。
観客席の間隔が狭く、柱が視界を遮るなど不便で、選手には、ロッカールームや通路が狭いなど不満の声が多い球場ですが、球場がもつ伝統と独特な雰囲気は、今でも多くのファンを引きつけています。
レッドソックスは、何度か新球場計画を発表していますが、その度にファンから強く反対され断念しています。
レフトからセンターにかけて直線的に延びていて、プロの使用する球場としては、とても左中間が浅くなっています。
そこで、簡単に本塁打が出るのを防ぐため、高さ37フィート(約11.3メートル)の巨大なフェンスが設置され、その後、緑色に塗られました。
これが有名な『グリーン・モンスター(Green Monster)』です。
対照的に右中間は深くなっていて、中堅は最深部が420フィート(約128.0メートル)と深く、その形からザ・トライアングル(The Triangle)とも呼ばれいます。
ファウルグラウンドが非常に狭く、ファウルフライによるアウトの機会が少ないため、打者に有利な球場です。
ヤンキー・スタジアム(Yankee Stadium)
本拠にする球団:ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)
開場 | 所有者 | 収容人数 |
---|---|---|
2009年4月16日 | ニューヨーク・ヤンキース | 54,251 |
左翼 | 左中間 | 左中間最深部 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|---|
318ft. 約96.9m | 382ft. 約116.4m | 399ft. 約122m | 408ft. 約124.4m | 385ft. 約117.3m | 314ft. 約95.7m |
1923年から使用されていた旧ヤンキー・スタジアムの老朽化のため、2001年にニューヨーク市はニューヨーク・ヤンキースとニューヨーク・メッツの両チームにそれぞれ8億ドルの球場を建設することに暫定合意しました。
2002年,、この計画は一時凍結しましたが、その後、新スタジアム建設が正式に決まりました。
アメリカンリーグでは、収容人員が5万人を超える唯一の球場です。
高額な内野最前列周辺にボックスシートがあり、センター後方には、球団の名選手を顕彰するモニュメントパークもあります。
立地の関係で本塁から右翼上空へ追い風が吹くため、一試合辺りの本塁打数が他の球場に比べて著しく多く、平均4本以上の本塁打が飛び出しています。
旧スタジアム時代にあった右中間の平均的な膨らみが削られたため、本塁打の大半がライト方向で、左打者に極端に有利な球場です。
トロピカーナ・フィールド(Tropicana Field)
本拠にする球団:タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
1990年3月3日 | セントピーターズバーグ市 | 36,973 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
315 ft. 約96.0 m | 370 ft. 約112.8 m | 404 ft. 約123.1 m | 370 ft. 約112.8 m | 322 ft. 約98.1 m |
1990年に、「フロリダ・サンコースト・ドーム(Florida Suncoast Dome)」の名称で開場しました。
その後、1998年にTropicana Products社が命名権を取得して、「トロピカーナ・フィールド」となりました。
デビルレイズの誕生に伴い、野球専用球場に生まれ変わりました。
「トロピカーナフィールド」は、メジャー唯一の密閉式ドーム球場です。
球場内には、たくさんのレストランやショップがあり、その種類の多さから「モールパーク」と呼ばれています。
レイズが勝利したときには、球場の屋根がオレンジ色にライトアップされ、地元のファンを楽しませます。
バックスクリーンには、球団名の由来であるエイが入った巨大な水槽があり、観客が直接触れて楽しめるようになっています。
ロジャーズ・センター(Rogers Centre)
本拠にする球団:トロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
1989年6月5日 | Rogers Communications トロント・ブルージェイズ | 50,516 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
328 ft. 約100.0 m | 375 ft. 約114.3 m | 400 ft. 約121.9 m | 375 ft. 約114.3 m | 328 ft. 約100.0 m |
球場建設は、名目上は多目的スタジアムでしたが、実際には、ブルージェイズが新球場を必要としていた事が決め手でした。
1989年の開場当初は、市民からの公募で「スカイドーム(SkyDome)」と命名されました。
1990年代以降に建設されたMLBの球場としては、珍しい左右対称の球場で、世界初の可動式屋根付きスタジアムです。
スカイドームは、1991年にMLBの球場としては、初めてシーズン観客数400万人以上を集めました。
2004年、ブルージェイズの親会社ロジャーズ・コミュニケーションズが、スカイドームを買収し、「ロジャーズ・センター」へ名称を変更しました。
目玉が、かつて世界最大を誇った縦10m横35mの巨大画面の『ジャンボトロン』です。
部屋から試合観戦できるホテルも併設されていて、たびたび『世界最高のスタジアム』と評されます。
2020年、新球場の建設が検討されていることが報じられています。
MLB球場一覧:ナショナル・リーグ編
ナショナル・リーグの球場も、それぞれに魅力が満載です。
歴史ある球場から最新の施設まで、多種多様な球場がナショナル・リーグには存在します。
球場ごとに異なる特色を持つため、ファンはそれぞれの球場で新しい発見や体験ができます。
試合を観ながら、球場独自のアトラクションやグルメを楽しむことで、MLBの魅力をより深く味わうことができるでしょう。
チェイス・フィールド(Chase Field)
本拠にする球団:アリゾナ・ダイヤモンドバックス(Arizona Diamondbacks)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
1998年3月31日 | マリコパ郡 | 49,033 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
330 ft. 約100.6 m | 374 ft. 約114.0 m | 407 ft. 約124.1 m | 374 ft. 約114.0 m | 334 ft. 約101.8 m |
1998年、世界初の開閉式屋根付き天然芝野球専用球場としてオープンしました。
砂漠地帯であることから、暑さ対策で屋根が設置されています。
開場時は、アメリカの中堅銀行バンクワンが命名権を取得し、「バンクワン・ボールパーク(Bank One Ballpark)」と名付けられました。
地元ファンからは、BOB(ボブ=頭文字をとった略称)と呼ばれ親しまれました。
2005年、バンクワンがJPモルガン・チェイス銀行と合併し、「チェイス・フィールド」に改称されました。
海抜332mの高所にあり、アリゾナ特有の乾燥した気候のため、打球がよく伸び、打者に有利の球場です。
フェンスの形状が複雑で、最も三塁打が出やすい球場です。
右中間の外野席にプールがあり、試合がある日はグループ単位で貸し切られます。
クアーズ・フィールド(Coors Field)
本拠にする球団:コロラド・ロッキーズ(Colorado Rockies)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
1995年4月26日 | Denver Metropolitan Baseball Stadium District | 50,445人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
347 ft. 約105.8 m | 390 ft. 約118.9 m | 415 ft. 約126.5 m | 375 ft. 約114.3 m | 350 ft. 約106.7 m |
球場建設中に恐竜の化石が見つかり、球場名を「ジュラシック・パーク」にしようとの案が出ましたが、却下されました。
デンバーは30年以上、MLB球団を誘致してきたため、「マイル・ハイ・スタジアム」で開かれた新球団ロッキーズの開幕戦には80,227人の大観衆がつめかけ、年間で大リーグ史上最多の4,483,350人を動員した。
そのため、当初クアーズ・フィールドは43,800人収容の予定だったが、50,445人収容に上方修正されました。
赤レンガと鉄骨を組み合わせた外観で、典型的な新古典様式の球場です。
バックスクリーンから一塁側のブルペンにかけて、噴水付きの庭園があり、ロッキーズの選手にホームランが出ると、この噴水が高く吹き上げられます。
標高1マイル(約1600メートル)の高地にあるため、打球の飛距離がよく伸びます。
フィールドも広くて長打が出やすく、逆に外野手が深めに守ればシングルヒットになり、フライボールピッチャー(フライでアウトを取る割合が多い投手)にとっては鬼門です。
この球場では、ただ一人、野茂英雄(当時 ロサンゼルス・ドジャース)がノーヒットノーランを達成しています。
ドジャー・スタジアム(Dodger Stadium)
本拠にする球団:ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
1962年4月10日 | ロサンゼルス・ドジャース | 56,000人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
330 ft. 約100.6 m | 385 ft. 約117.3 m | 395 ft. 約120.4 m | 385 ft. 約117.3 m | 330 ft. 約100.6 m |
1940年代後半から、ロサンゼルス市の人口が急増したため、市当局による公営住宅の建設が予定されていました。
1957年、ドジャースの移転が決まり、市は予定を変更して、公営住宅予定地にドジャースの新球場建設を決定しました。
1990年代以降に建設されたMLB球場としては、珍しい左右対称の球場です。
外野やファウルグラウンドが比較的広いため、投手有利の球場です。
ロサンゼルスは昼夜の寒暖差が大きいため、霧が立ち込めることがあります。
すると、ボールが湿気で重くなる上に、センターから本塁へ向かって風が吹くため、本塁打が出にくいです。
カリフォルニア州は地中海性気候で、雨があまり降らないため、「ドジャースタジアム」は雨天中止が極端に少ないです。
ドジャースタジアム名物の1つに『ドジャー・ドッグ(The World famous Dodger Dog)』というホットドッグがあり、アメリカの球場で最も多く販売されています。
LA Metro(ロサンゼルス郡都市圏交通局)が、ユニオン駅(Union Station)から無料シャトルバスを運行しているが、最大で5万6千人となる観客のほとんどは自動車で来場します。
そのため、野球などのイベント開催時には深刻な渋滞が発生します。
かつて、オーナーのピーター・オマリーが「ボールパークにファンを呼ぶには、球場を楽しく美しいところ、つまり男がガールフレンドを連れて行きたくなるような場所にすることだ」という名言を残しています。
そのため、美しい自然に囲まれた環境やデザインのほか、清掃が行き届いた球場は清潔に保たれていて、『メジャーで最も美しい球場』とされています。
ペトコ・パーク(PETCO Park)
本拠にする球団:サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2004年4月8日 | サンディエゴ市 サンディエゴ・パドレス | 42,445人 |
左翼 | 左中間最深部 | 中堅 | 右中間最深部 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
334 ft. 約101.8 m | 390 ft. 約118.9 m | 396 ft. 約120.7 m | 391 ft. 約119.2 m | 322 ft. 約98.1 m |
パドレスは、1969年の球団創設以来、NFLサンディエゴ・チャージャーズと兼用のクアルコム・スタジアムを本拠地にしていました。
しかし、スタジアムの老朽化が進んでいたため、新球場建設を求める声が高まり、住民投票によりサンディエゴ市が公金を投入することが認められました。
地元のペット用品販売チェーン、ペトコ・アニマル・サプライ社が命名権を取得して、球場名が「ペトコ・パーク」に決まりました。
使用する建材の色を独自のものにして、新古典主義の流れを汲む他の球場との差別化しています。
白い鋼鉄の梁、ダークブルーの観客席は、サンディエゴの砂浜と青い空、海に浮かぶボートの白い帆をイメージしています。
外野が広いうえに複雑な形状でとなっていて、本塁打が出にくいため、投手有利の球場です。
レフトポール際には、球場建設予定地内にあった地元金属メーカーの『ウェスタン・メタル・サプライ・カンパニー・ビルディング(Western Metal Supply Company Building)』の旧本社社屋を球場の一部として組み込んでいます。
バックスクリーン右側には、子どもたち専用のビーチ・エリアがあります。
左翼スタンド大型スクリーンの背後には、芝の上に座ってピクニック気分を味わいながら野球観戦ができる『パーク・アット・ザ・パーク』があります。
オラクル・パーク(Oracle Park)
本拠にする球団:サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2000年3月31日 | China Basin Ballpark Corp. | 41,503人 |
左翼 | 左中間最深部 | 中堅 | 右中間最深部 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
339 ft. 約103.3 m | 399 ft. 約121.6 m | 391 ft. 約119.2 m | 415 ft. 約126.5 m | 309 ft. 約94.2 m |
野球専用球場として建設されましたが、アメリカンフットボールやサッカーなどの会場としても使用されています。
2007年7月10日、この日のオールスターゲームで、イチロー(マリナーズ)がオールスター史上初のランニングホームランを放っています。
右翼までが309フィート(約94.2メートル)しかないが、フェンスが高さ25フィート(約7.6メートル)もあり、また海からの向かい風のため、特に左打者には非常に不利です。
右翼フェンス後方がサンフランシスコ湾の入り江で、右翼席も小さいため、場外ホームランは海に飛び込みます。
海に飛び込む特大アーチは、『スプラッシュ・ヒット(Splash Hit)』と呼ばれていて、スプラッシュ・ヒットボール目当てに、入り江で舟に乗って待ち構えているファンもいます。
スプラッシュヒットが飛び出すと、開場時からの合計本数が電光掲示で表示され、噴水が吹き出ます。
左翼席後方に、長さ約24メートルの巨大なコカ・コーラの瓶があり、中は4つの滑り台があります。
コカ・コーラの瓶の横には、巨大なビンテージ・スタイルのグラブもあります。
右翼立ち見席は通路にもなっていて、その下の『ナットホール』という遊歩道から試合を無料観戦できます。
リグレー・フィールド(Wrigley Field)
本拠にする球団:シカゴ・カブス(Chicago Cubs)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
1914年4月23日 | シカゴ・カブス | 41,118人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
355 ft. 約108.2 m | 368 ft. 約112.2 m | 400 ft. 約121.9 m | 368 ft. 約112.2 m | 353 ft. 約107.6 m |
1914年、「ウィーグマン・パーク(Weeghman Park)」として開場しました。
第3のリーグ、フェデラル・リーグのシカゴ・ホエールズが本拠地にしていたが、1915年にリーグが解散し、翌1916年からカブスの本拠地となりました。
ファウルグラウンドが狭く、基本的に打者有利の球場ですが、ミシガン湖からの季節風の向きによっては、打者有利になったり投手有利になったりします。
外野フェンスに蔦が生い茂っていて、蔦の中にボールが入り込んだときは、エンタイトルツーベースになります。
1930年代後半から、他の球場は続々と照明設備を導入しましたが、当時の球団オーナーが「野球は太陽の下でやるものだ」と発言し、この言葉が野球ファンの共感を得たため、照明灯は設置されませんでした。
そのため、1914年の開場から1988年までの75年間、この球場ではナイトゲームが開催されたことはありませんでした。
1981年に、新聞社トリビューン・カンパニーがカブスを買収し、照明灯の設置を検討し始めました。
シカゴは街を二分する大騒動になりましたが、1988年、シカゴ市議会は、リグレー・フィールドが住宅街であることを理由に制定していた夜間試合禁止条例を廃止し、初のナイターが開催されました。
また、「試合のリプレーや成績・歴史を見たい」というファンの声に応えて、球場の開場100周年を機に、電光掲示板が設置されました。
7回表終了と同時に、ネット裏の地元シカゴの放送局WGNのブースでは、多彩なゲストが 「Take Me Out to the Ball Game」 を歌います。
2020年、「リグレー・フィールド球場」は、国定歴史建造物に指定されました。
グレート・アメリカン・ボール・パーク(Great American Ball Park)
本拠にする球団:シンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2003年3月28日 | シンシナティ市 、ハミルトン郡 | 42,059人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
328 ft. 約100.0 m | 379 ft. 約115.5 m | 404 ft. 約123.1 m | 370 ft. 約112.8 m | 325 ft. 約99.1 m |
同じ球場を共用の本拠地としていたレッズとNFLシンシナティ・ベンガルズは、それぞれの専用新球場の建設を要望、1996年の住民投票の結果、シンシナティ市が両新球場の建設に公金を投入することが承認されました。
1998年の住民投票で、いくつかのプランの中から、オハイオ川沿岸に建設する案が選ばれ、グレート・アメリカン・インシュランス社が命名権を取得しました。
以前の本拠地よりかなり狭く造られていて、ファウルゾーンが狭く、右中間や左中間にふくらみがないのでホームランバッターに有利です。
本塁と三塁の中間の位置で内野スタンドの構造が、三塁側が3層、一塁側が2層+中2階(スイート席)に変わり、『ザ・ギャップ(The Gap)』と呼ばれています。
レッズの選手がホームランを打つと、右中間スタンドに設置されている2本の煙突から花火が打ち上げられます。
アメリカンファミリー・フィールド(American Family Field)
本拠にする球団:ミルウォーキー・ブルワーズ(Milwaukee Brewers)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2001年3月30日 | Southeast Wisconsin Professional Baseball District ミルウォーキー・ブルワーズ | 42,400人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
344 ft. 約104.9 m | 370 ft. 約112.8 m | 400 ft. 約121.9 m | 374 ft. 約114.0 m | 345 ft. 約105.2 m |
2001年、ホワイトソックスとのオープン戦で開場しました。
2021年、アメリカンファミリー保険が命名権を取得しました。
天然芝の美しさもさることながら、球場周辺も緑が豊かで『パークの中のパーク』と言われています。
ミルウォーキーにドイツ系移民が多いこともあり、アメリカ国内では、唯一ホットドッグよりソーセージの販売が多い球場です。
ブルワーズの選手がホームランを打つと、左翼スタンド後方で『Get Up , Get Up , Get Outta Here , Gone ! (打球が伸びる、伸びる、行ったー!)』という文字が点灯し、文字の下の滑り台を球団マスコットのバーニー・ブリュワー(Bernie Brewer)が滑り降ります。
6回裏終了後には、ソーセージのぬいぐるみを着た4人のランナーが競争し、観客が勝者を当てるというアトラクションが行われます。
2002年、この球場でのオールスターゲームは、延長戦になりましたが、両チームともに控え選手がほぼいなくなったため、MLBには珍しい引き分けになりました。
PNCパーク(PNC Park)
本拠にする球団:ピッツバーグ・パイレーツ(Pittsburgh Pirates)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2001年3月31日 | City of Pittsburgh Sports & Exhibition Authority | 38,362人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
325 ft. 約99.1 m | 389 ft. 約118.6 m | 399 ft. 約121.6 m | 375 ft. 約114.3 m | 320 ft. 約97.5 m |
旧球場がアメフトとの兼用球場だったため、野球とアメフトそれぞれの専用球場を建設する計画が立ち上がりました。
1999年、工事が開始されましたが、建設費は極限まで抑えられ、内装や電気工事、塗装など各項目ごとに入札を実施しました。
総額2億1600万ドルのうち1億5000万ドルは、ペンシルベニア州やピッツバーグ市など地元自治体が公金で負担、さらにファンからも寄付を募り、実際に寄付してくれたファンの名前を球場脇の舗道のレンガに記しました。
地元の金融会社PNCファイナンシャル・サービシズが命名権を取得しました。
ライト後方には、アレゲニー川が流れていて、場外ホームランを打てばスプラッシュヒットになりますが、146mほどの飛距離が必要です。
球場の大きさ自体は平均的ですが、左中間が大きく膨らんだ形状で、右中間フェンスも6.4mあり、投手有利の球場です。
内野席から見える外野後方のアレゲニー川やそこに架かる鮮やかな黄色のロベルト・クレメンテ橋、立ち並ぶダウンタウンの高層ビル群が一つになった光景は「大リーグ球場でも屈指の美しさ」で、特にナイトゲーム観戦時の夜景は抜群の美しさです。
ブッシュ・スタジアム(Busch Stadium III)
本拠にする球団:セントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2006年4月4日 | セントルイス・カージナルス | 43,975人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
336 ft. 約102.4 m | 375 ft. 114.3 m | 400 ft. 約121.9 m | 375 ft. 114.3 m | 335 ft. 約102.1 m |
2006年4月10日、MLB公式戦が初めて開催されました。
2007年からは全面禁煙になり、入場後に喫煙する時は、3カ所の指定出入り口から外に出て喫煙することになります。
球場から見渡せる高層ビル群やゲートアウェイアーチの景観が美しく、チームカラーの赤に染まった球場内の雰囲気も圧巻です。
熱狂的なカージナルスのファンと球場が一体となり、赤一色に染まった球場内の雰囲気は、セントルイスが「全米一の野球都市」であることを感じさせてくれます。
トゥルーイスト・パーク(Truist Park)
本拠にする球団:アトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2017年2月21日 | Cobb-Marietta Coliseum and Exhibit Hall Authority | 41,500人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
335 ft. 約102.1m | 385 ft. 約117.3m | 400 ft. 約121.9m | 375 ft. 約114.3m | 325 ft. 約99.1m |
2013年、ブレーブスは、駐車場不足を理由に本拠地移転の計画を発表しました。
サントラスト銀行が25年間の命名権を取得し、「サントラスト・パーク(SunTrust Park)」として2017年に開場しました。
2019年、サントラスト銀行がBB&Tと合併しトゥルーイスト・ファイナンシャルとなったため、球場名も「トゥルーイスト・パーク」へ名称を変更しています。
左翼方向が広くなっていますが、逆に右翼方向は狭くなっています。
2013年、球場に隣接する娯楽地区の開発が発表され、商業施設やホテル、オフィスビル、住宅などの複合施設が建設されました。
複合施設は『バッテリー・アトランタ』と名付けられ、球場に面していて、レストランと球場との行き来も簡単にできます。
また、『サンドロット』というエリアがあり、子どもたちが実際に野球をプレーしたり、クライミングなどを体験することもできます。
ローンデポ・パーク(LoanDepot Park)
本拠にする球団:マイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2012年3月5日 | Miami-Dade County, Florida | 37,000人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
344 ft. 約104.8 m | 386 ft. 約117.6 m | 400 ft. 約121.9 m | 387 ft. 約117.9 m | 335 ft. 約102.1 m |
かつてフロリダ・マーリンズが使用していた球場は、マイアミの中心部から遠く、雨が多い地域でありながら屋根がなく問題の多い球場でした。
そこで球団は、新しい野球場の建設計画を進め、マイアミのダウンタウンに程近いリトル・ハバナ地区内に建設されました。
2021年、ローンデポという企業が命名権を取得しました。
マーリンズの選手がホームランを放つと、外野中央部の左の、『ホームラン・フィーチャー化』という高さ10mほどの巨大なオブジェからペリカンやカモメ、マカジキまどが飛び跳ね球場を盛り上げます。
バックネットの下には、フロリダの海を泳ぐ熱帯魚が入れられた大型水槽があり、観客席やテレビ中継でも見ることができます。
この大型水槽には、当初チーム名のカジキを飼う計画でしたが、大きすぎて断念しました。
シティ・フィールド(Citi Field)
本拠にする球団:ニューヨーク・メッツ(New York Mets)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2009年4月13日 | ニューヨーク市 | 45,000人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
335 ft. 約102.1 m | 358 ft. 約109.1 m | 408 ft. 約124.4 m | 370 ft. 約112.8 m | 330 ft. 約100.6 m |
ニューヨークが2012年の夏季オリンピックの開催都市に落選し、会場の一部にしようとしていた球場を、老朽化したシェイ・スタジアムの代替ととすることにしました。
シティグループが命名権を取得し、「シティ・フィールド」と名付けられました。
日によって風向きが変わり、本塁打があまり伸びない傾向にあり、投手有利の球場でしたが、開場以来2度外野フェンスを前に出したことにより、投手有利から中立的な球場になりました。
『LET’S GO METS(レッツゴーメッツ)』と叫びながら球場が一体になるのが、メッツの応援スタイルです。
メッツの選手がホームランを打つと、高さ約4.9mもあるホームラン・アップルが出現します。
2009年、この球場で、フィリーズの二塁手エリック・ブラントレットがMLB史上15人目の無補殺三重殺を記録していて、さらにこれが無補殺三重殺によるMLB史上2度目のゲームセットとなりました。(無死1、2塁でライナーを捕って2塁を踏み、走ってきた1塁走者にタッチして3アウト)
シチズンズ・バンク・パーク(Citizens Bank Park)
本拠にする球団:フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2004年4月9日 | フィラデルフィア市 | 43,500人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
329 ft. 約100.3 m | 374 ft. 約114.0 m | 401 ft. 約122.2 m | 369 ft. 約112.5 m | 330 ft. 約100.6 m |
2000年、同じ球場を本拠地にしていたフィリーズとNFLフィラデルフィア・イーグルスは、それぞれ専用の新球場を計画し、建設場所と資金条件で合意、市議会もこれを承認しました。
シチズンズ・フィナンシャル・グループが新球場の命名権を取得しました。
典型的な新古典主義の球場で、レンガと鉄骨を組み合わせた外観と左右非対称のフィールドが特徴です。
センター最深部が浅く、両翼までのふくらみがなく、本塁打の出やすい打者有利の球場です。
総座席数を減らす代わりに上位クラスの座席数を増やして、客単価を上げるようにしています。
フィラデルフィアはアメリカ建国の地で、その象徴でもある『自由の鐘』を象ったイルミネーションが右中間スタンドにあります。
フィリーズの選手がホームランを打つと、場内に鐘の音が鳴り響き、光を放ちながら『自由の鐘』が左右にゆっくり振れます。
バックスクリーン裏の通路には、名選手のレリーフを飾ったウォール・オブ・フェイムや、フィリーズの歴史を写真で紹介するメモリー・レーン、レストランや売店などが並んでいます。
ナショナルズ・パーク(Nationals Park)
本拠にする球団:ワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)
開場 | 所有者 | 収容人員 |
---|---|---|
2008年3月22日 | D.C. Sports & Entertainment Commission (DCSEC) | 41,487人 |
左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 |
---|---|---|---|---|
336 ft. 約102.4 m | 377 ft. 約114.9 m | 402 ft. 約122.5 m | 370 ft. 約112.8 m | 335 ft. 約102.1 m |
2004年、「ロバート・F・ケネディ・メモリアル・スタジアム」の代わりに、野球専用球場として建設されることになりました。
近くにはワシントン記念塔や議会議事堂を望むことが出来る。
左翼スタンドの上段には、桜の木が植えられています。
晴れた日は、ライト上段席からアメリカ連邦議会議事堂を見渡せます。
イニング間に行われる「プレジデント・レース」が名物で、着ぐるみの歴代大統領がレースを繰り広げ、球場を盛り上げてくれます。
まとめ
MLBの球場を一覧で30球場全て紹介しました。
MLBの球場は個性豊かで、ファンを飽きさせず、楽しませる工夫もたくさん見受けられます。
応援では鳴り物が禁止で、純粋に野球観戦を楽しんだり、「いびつな形の球場」を受け入れたり、アメリカでは「ベースボール」が伝統のスポーツで、文化だということが分かります。
MLBの試合を観戦する時、こういったところにも注目すると、さらに楽しめますね。
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