プロ野球の育成選手とは:その意義と役割

プロ野球

プロ野球の舞台裏で、未来のスター選手たちが日々練習に励んでいます。

彼らはまだ一軍のメンバーではありませんが、その存在はプロ野球界にとって欠かせないものとなっています。

そんな彼らを指す言葉が「育成選手」

この記事では、

  • 育成選手とは何か
  • その制度の詳細
  • 一軍との違い
  • 配下選手に昇格した選手たち

これらの記事を通して、彼らの意義と役割を深掘りしていきます。

プロ野球の育成選手とは

育成選手制度は、選手の育成を目的として球団の選手契約枠を拡大する制度です。

この制度下での選手は育成選手と呼ばれ、特定の契約形態を持ちます。

1965年にドラフト制度が導入された後、練習生という制度が存在していました。

1992年に練習生制度が廃止され、その後、2005年に育成選手制度が導入されました。

育成選手は、即戦力とは言えないものの、将来的なポテンシャルを持つ選手です。

彼らは一軍の公式戦には出場できません。

主に二軍や三軍での試合や練習に参加し、実戦経験を積むことが主な活動となります。

プロ野球の育成選手制度の定義と詳細

育成選手制度は、日本のプロ野球における重要な制度の一つで、その目的は若手の有望な選手の発掘と育成にあります。

プロ野球の育成選手制度の定義

この制度は2005年に導入され、当初はわずか4球団6名しか在籍していませんでした。

2023年時点では、12球団すべてに在籍しているというデータが示すように、その重要性が増してきています。

育成選手制度の導入により、

  • 特定の能力に秀でているが、他の能力がまだ未完成な選手
  • 手術を受けてリハビリ期間が必要な選手

このような選手でも、プロ野球の世界に挑戦(再挑戦)することが可能となりました。

また、この制度により、球団は多様な選手を獲得することができるようになりました。

プロ野球の育成選手制度の詳細

育成選手としての契約は、特定の条件下で行われます。

1軍の公式戦には出場できず、2軍や3軍での試合や練習に参加し、実戦経験を積むことが求められます。

また、新規に育成選手を獲得する場合には、「育成ドラフト」という特別なドラフト会議での指名が必要となります。

育成選手の支配下契約選手との最も大きな違いは、1軍の公式戦に出場できないことです。

支配下契約選手は、1軍公式戦に出場することができますが、育成契約選手は出場できません。

育成選手は2軍の試合に出場し、その中での活躍を通じて、支配下契約選手への昇格を目指します。

育成選手の契約期間は最長3年間と定められています。

その期間内に支配下契約選手への昇格がなされない場合、自由契約となる可能性があります。

しかし、これは即座に引退を意味するものではなく、再契約や他球団への移籍など、さまざまな道が選手には開かれています。

育成選手制度の導入により、多くの選手がプロ野球の世界に足を踏み入れることができるようになりました。

そして、その中から多くのスター選手が誕生しています。

例えば、ソフトバンクの千賀投手や甲斐選手は、育成選手からスタートし、現在は日本を代表する野球選手として活躍しています。

このように、育成選手制度は、日本のプロ野球に新しい風を吹き込み、多くの選手に夢を与えてくれる制度となっています。

プロ野球の育成選手とは:一軍との違い

育成選手は、一軍の公式戦に出場することができません。

プロ野球には、「支配下登録枠」という一軍出場可能な選手の人数制限が存在するためです。

「支配下登録枠」は70名と定められていて、この枠に入れないが、球団からの評価は高い選手が育成契約として契約されます。

育成選手は、2軍や3軍での試合や練習を通じて、実戦経験を積むことが主な活動です。

2軍の試合は、プロ野球のファームリーグとして行われるもので、ここでの活躍が一軍昇格の大きなステップとなります。

また、3軍というさらに下部組織も存在し、こちらも育成の場として利用されています。

育成選手は、支配下契約選手と区別するために3桁の背番号を使用します。

育成選手の契約には一定の期間が設けられており、その期間が経過すると自由契約となります。

支配下選手登録の経験がない選手の場合、育成契約期間は最大で3年となります。

一方、支配下選手登録の経験がある選手の場合は、育成契約期間は1年です。

支配下選手登録になった育成ドラフト選手

ここからは、実際に育成ドラフトで入団して、支配下登録を勝ち取った育成選手紹介します。

北海道日本ハムファイターズ

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
長谷川 凌汰投手2019年 3位2020 – 2022
樋口 龍之介内野手2019年 2位2020 – 2022
宮田 輝星外野手2019年 1位2020 – 2022
ぺんどら
ぺんどら

日ハムは、育成選手にあまり積極的ではないようですね。

東北楽天ゴールデンイーグルス

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
内村 賢介内野手/外野手2007年 1位2008 – 2012
2012 – 2016(DeNA)
川口 隼人外野手2010年 3位2011 – 2013
小峯 新陸投手2019年 2位2020 – 現役
辰見 鴻之介内野手2022年 1位2023 – 現役
中村 真人外野手2006年 2位2007 – 2012
宮川 将投手2012年 1位2013 – 2018
宮森 智志投手2021年 1位2022 – 現役
森田 丈武内野手2008年 1位2009 – 2011
八百板 卓丸外野手2014年 1位2015 – 2019
2020 – 2022(読売)

埼玉西武ライオンズ

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
赤上 優人投手2020年 1位2021 – 現役
齊藤 誠人捕手2017年 2位2018 – 現役
高木 渉外野手2017年 1位2018 – 現役
滝澤 夏央内野手2021年 2位2022 – 現役
戸川 大輔外野手2014年 1位2015 – 2022
中熊 大智捕手2018年 3位2019 – 現役
長谷川 信哉内野手/外野手2020年 2位2021 – 現役
藤澤 亨明捕手2011年 1位2012 – 2018
古市 尊捕手2021年 1位2022 – 現役
豆田 泰志投手2020年 4位2021 – 現役
水上 由伸投手2020年 5位2021 – 現役
水口 大地内野手/外野手2012年 1位2013 – 2020

読売ジャイアンツ

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
青山 誠外野手2013年 1位2014 – 2018
隠善 智也外野手2006年 4位2007 – 2015
大立 恭平投手2009年 4位2010 – 2012
2013(ソフトバンク)
加藤 脩平外野手2016年 2位2017 – 2020
河野 元貴捕手2009年 2位2010 – 2018
菊地 大稀投手2021年 6位2022 – 現役
岸 敬祐投手2010年 2位2011 – 2013
2014(千葉ロッテ)
喜多 隆介捕手2020年 2位2021 – 現役
坂本 工宜投手2016年 4位2017 – 2019
篠原 慎平投手2014年 1位2015 – 2018
田中 貴也捕手2014年 3位2015 – 2019
2020~(楽天)
土田 瑞起投手2011年 2位2012 – 2017
戸田 懐生投手2020年 7位2021 – 現役
沼田 翔平投手2018年 3位2019 – 現役
長谷川 潤投手2015年 8位2016 – 2017
平間 隼人内野手2019年 1位2020 – 2022
福元 淳史内野手/外野手2008年 4位2009 – 2012
2012 – 2013(ソフトバンク)
星野 真澄投手2009年 1位2010 – 2014
堀岡 隼人投手2016年 7位2017 – 現役
増田 大輝内野手/外野手2015年 1位2016 – 現役
松井 颯投手2022年 1位2023 – 現役
松原 聖弥外野手2016年 5位2017 – 現役
松本 哲也外野手2006年 3位2007 – 2017
丸毛 謙一外野手/内野手2010年 8位2011 – 2013
2014 – 2015(オリックス)
山口 鉄也投手2005年 1位2006 – 2018
山下 航汰外野手/一塁手2018年 1位2019 – 2021
山本 和作内野手/外野手2008年 3位2009 – 2012
2013 – 2015(オリックス)
ぺんどら
ぺんどら

この人数はスゴイ!お金がある球団は違いますね。

東京ヤクルトスワローズ

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
赤羽 由紘内野手2020年 2位2021 – 現役
伊藤 秀範投手2006年 1位2007 – 2008
金伏 ウーゴ投手2011年 2位2012 – 2015
2016(読売)
大村 孟捕手2016年 1位2017 – 2021
徳山 武陽投手2011年 1位2012 – 2017
中島 彰吾投手2014年 1位2015 – 2017
松本 友内野手2018年 2位2019 – 現役
丸山 翔大投手2020年 4位2021 – 現役

千葉ロッテマリーンズ

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
植田 将太捕手2019年 2位2020 – 現役
大木 貴将内野手/外野手2015年 1位2016 – 2019
岡田 幸文外野手2008年 6位2009 – 2018
小沼 健太投手2020年 2位2021 – 現役
2023 -(読売)
柿沼 友哉捕手2015年 2位2016 – 現役
黒沢 翔太投手2010年 1位2011 – 2017
佐藤 奨真投手2020年 4位2021 – 現役
角 晃多内野手2008年 3位2009 – 2014
西野 勇士投手2008年 5位2009 – 現役
肘井 竜蔵捕手/外野手2013年 1位2014 – 2018
宮本 裕司捕手/外野手2007年 2位2008 – 2011
本前 郁也投手2019年 1位2020 – 現役
森 遼大朗投手2017年 2位2018 – 現役
山室 公志郎投手2009年 1位2010 – 2013
山本 大斗外野手2020年 3位2021 – 現役
和田 康士朗外野手2017年 1位2018 – 現役
ぺんどら
ぺんどら

千葉ロッテは、結構上手に育成しているようですね。

横浜DeNAベイスターズ

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
石川 達也投手2020年 1位2021 – 現役
笠井 崇正投手2016年 1位2017 – 2021
国吉 佑樹投手2009年 1位2010 – 現役
2021 -(千葉ロッテ)
上甲 凌大捕手2022年 1位2023 – 現役
砂田 毅樹投手2013年 1位2014 – 現役
2023 -(中日)
関口 雄大外野手2007年 1位2008 – 2009
2010 – 2012(日ハム)
田村 丈投手2015年 3位2016 – 2019
冨田 康祐投手2011年 1位2012 – 2014
中川 虎大投手2017年 1位2018 – 現役
西森 将司捕手2011年 2位2012 – 2019
萬谷 康平投手2013年 2位2014 – 2016
宮城 滝太投手2018年 1位2019 – 現役

中日ドラゴンズ

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
赤田 龍一郎捕手2009年 2位2010 – 2017
上田 洸太朗投手2020年 2位2021 – 現役
岸本 淳希投手2013年 1位2014 – 2017
木下 雄介投手2016年 1位2017 – 2021
近藤 弘基外野手2014年 4位2015 – 2019
近藤 廉投手2020年 1位2021 – 現役
樋口 正修内野手2022年 3位2023 – 現役
松山 晋也投手2022年 1位2023 – 現役
三ツ間 卓也投手2015年 3位2016 – 2021
矢地 健人投手2009年 1位2010 – 2014
2015(千葉ロッテ)
渡辺 勝外野手2015年 6位2016 – 2022

オリックス・バファローズ

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
東 晃平投手2017年 2位2018 – 現役
宇田川 優希投手2020年 3位2021 – 現役
漆原 大晟投手2018年 1位2019 – 現役
大里 昂生内野手2021年 3位2022 – 現役
大下 誠一郎内野手2019年 6位2020 – 現役
2023 -(千葉ロッテ)
梶本 達哉投手2007年 1位2008 – 2011
神戸 文也投手2016年 3位2017 – 2021
榊原 翼投手2016年 2位2017 – 2022
佐野 如一外野手2020年 5位2021 – 現役
茶野 篤政外野手2022年 4位2023 – 現役
張 奕投手2016年 1位2017 – 現役
塚田 貴之投手2015年 1位2016 – 2017
西川 拓喜外野手2012年 2位2013 – 2014
平野 大和外野手2019年 4位2020 – 現役

阪神タイガース

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
石井 将希投手2017年 1位2018 – 2021
岩田 将貴投手2020年 1位2021 – 現役
小野寺 暖外野手/内野手2019年 1位2020 – 現役
片山 雄哉捕手2018年 1位2019 – 現役
島本 浩也投手2010年 2位2011 – 現役
田上 健一外野手2009年 2位2010 – 2015
野原 祐也外野手/内野手2008年 1位2009 – 2012

広島東洋カープ

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
池ノ内 亮介投手2010年 2位2011 – 2015
大盛 穂外野手2018年 1位2019 – 現役
辻 空投手2012年 1位2013 – 2018
中谷 翼内野手2005年 1位2006 – 2013
中村 亘佑捕手2009年 2位2010 – 2017
中村 貴浩外野手/内野手2022年 2位2023 – 現役
藤井 黎來投手2017年 2位2018 – 現役
二俣 翔一内野手2020年 1位2021 – 現役
三家 和真内野手/外野手2011年 4位2012 – 2013
2017 – 2020(千葉ロッテ)
持丸 泰輝捕手2019年 1位2020 – 現役

福岡ソフトバンクホークス

選手ポジション育成選手ドラフト在籍期間
石川 柊太投手2013年 1位2014 – 現役
飯田 優也投手2012年 3位2013 – 2018
2018 – 2020(阪神)
2020 – 2021(オリックス)
猪本 健太郎内野手2008年 4位2009 – 2016
2017(千葉ロッテ)
大関 友久投手2019年 2位2020 – 現役
大竹 耕太郎投手2017年 4位2018 – 2022
2023 -(阪神)
尾形 崇斗投手2017年 1位2018 – 現役
釜元 豪外野手2011年 1位2012 – 2021
2022(楽天)
亀澤 恭平内野手2011年 2位2012 – 2014
2015 – 2019(中日)
木村 光投手2022年 3位2023 – 現役
小斉 祐輔内野手/外野手2005年 1位2006 – 2011
2012 – 2015(楽天)
周東 佑京内野手/外野手2017年 2位2018 – 現役
砂川 リチャード内野手2017年 3位2018 – 現役
千賀 滉大投手2010年 4位2011 – 現役
2023 -(メッツ)
曽根 海成内野手/外野手2013年 3位2014 – 現役
甲斐 拓也捕手2010年 6位2011 – 現役
堂上 隼人捕手2008年 5位2009 – 2012
中村 亮太投手2020年 8位2021 – 現役
西山 道隆投手2005年 2位2006 – 2009
二保 旭投手2008年 2位2009 – 現役
2021 -(阪神)
長谷川 宙輝投手2016年 2位2017 – 現役
2020 -(ヤクルト)
張本 優大捕手2013年 4位2013 – 2019
堀内 汰門捕手2014年 4位2015 – 2020
牧原 大成外野手/内野手2010年 5位2011 – 現役
柳川 洋平投手2008年 3位2009 – 2012
山田 大樹投手2006年 1位2007 – 2017
2018 – 2020(ヤクルト)
渡邉 雄大投手2017年 6位2018 – 現役
2022 -(阪神)
渡邉 陸捕手2018年 1位2019 – 現役
ぺんどら
ぺんどら

甲斐選手もそうですが、メジャーリーガーにまでなった千賀選手を発掘したソフトバンクが一番育成制度を上手に利用していますね。

プロ野球の育成選手とは:まとめ

育成選手は、プロ野球の未来を担う選手たちで、1軍の舞台に立つための経験を2軍や3軍で積むことが主な活動となります。

彼らは一軍の公式戦には出場できませんが、その背後での努力や成長が、将来のプロ野球界を支えることとなります。

育成選手制度は、プロ野球の未来を担う選手を育てるための重要な制度です。

その役割と意義は、今後も大きくなることでしょう。

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