プロ野球において、一軍はチームの核となる選手たちが所属するトップチームのメンバーです。
プロ野球の一軍登録人数は、チームの戦力や戦術に大きな影響を与える重要な要素です。
一方、メジャーリーグとの違いも見逃せないポイントです。
プロ野球の一軍登録人数について紹介し、メジャーリーグとの違いも併せて紹介していきます。
プロ野球のベンチ入り人数とその内訳
プロ野球の一軍登録人数は、下の表のようになっています。
支配下選手登録 | 一軍登録 | ベンチ入り | |
---|---|---|---|
通常 | 70人 | 29人 (うち外国人4人) | 25人 (うち外国人4人) |
特例2023 | 70人 | 31人 (うち外国人5人) | 26人 (うち外国人5人) |
プロ野球のベンチ入り人数には、ファンにとっても選手にとっても重要な意味があります。
各チームがどのように戦力を整え、試合に挑むのか、その戦略の一端を垣間見ることができます。
興味深いのは、投手と野手のバランスや、特定の試合に向けた戦術的な配慮です。
これらの情報を追うことで、より深くプロ野球の世界を楽しむことができます。
プロ野球の一軍登録と支配下登録の違い
一軍とは、プロ野球などのスポーツで使われる言葉で、各ポジションごとに最も有力な選手たちが組み合わされたトップチームのことです。
プロ野球では、公式戦(交流戦も含む)に出場できる選手たちは、支配下選手登録の選手の中で出場選手登録された選手に限られます。
そして、出場選手登録された選手たちが各チームの一軍の選手として位置づけられます。
それ以外の選手は、二軍(ファーム)として位置づけられます。
ちなみに、プロ野球で言うファームは、英語の”farm”のことで「農園、農場」という意味です。
- 農場で作物を育てるように、若手選手を育成
- 放牧のように、ケガをした選手を調整させる
このような意味から、ファームと呼ばれるようになったそうです。
支配下選手登録
支配下選手登録とは、球団と選手の契約が有効で、その球団に所属することを各リーグに届け出ることです。
一軍選手と二軍選手のすべての選手を支配下登録選手といい、各チーム70人まで保有できます。
支配下選手登録された選手は、その球団に所属する一員として以下に出場する義務があります。
- ペナントレース
- オールスターゲーム
- クライマックスシリーズ
- 日本シリーズ
自分が所属するチームから試合に出場しないといけないという、当たり前のことですね。
一軍登録
一軍登録とは「出場選手登録」のことで、選手が試合などに出場できるように登録されることです。
支配下選手登録された選手の中から選ばれ登録されます。
このことをプロ野球では特に「一軍登録」と言い、各チーム29人まで登録できます。
このうち外国人選手は最大4人まで登録できますが、4人全員を投手にしたり野手にしたりできません。
外国人選手の扱い
日本国籍を持っていなくても、以下の条件をクリアすれば日本人選手と同じ扱いになります。
- 選手契約締結前に、日本の中学校、高校、短大、専門学校に通算3年以上在学
該当する主な選手:林威助(阪神)、陽岱鋼(日本ハム、巨人)、呉念庭(西武) - 選手契約締結前に、日本の大学に継続して4年以上在学
該当する主な選手:大豊泰昭(中日、阪神) - 選手契約締結前に、日本に5年以上居住、かつ社会人野球に通算3年以上在籍
- プロ野球でFA権を取得
該当する主な選手:郭泰源、タフィ・ローズ、アレックス・ラミレス、アレックス・カブレラ、ランディ・メッセンジャーなど - 1と2の条件を満たさなかったものの、在学期間とプロ野球在籍が合計5年以上
日本に帰化して外国人枠を外れた選手もいます。(該当する主な選手:荘勝雄、郭源治)
ベンチ入りできる人数
ペナントレースでベンチ入りできる選手は、一軍登録された29人のうちの25人までです。
あとの4人は、ふつう登板予定のない先発投手であることが多くなっています。
多くの場合、投手9~10人、野手15~16人です。
内訳例は、下記の通りです。
ポジション | 人数 |
---|---|
先発投手 | 2人 |
中継ぎ投手 | 6人 |
抑え投手 | 1人 |
捕手 | 3人 |
内野手 | 8人 |
外野手 | 5人 |
★クライマックスシリーズ
試合中にベンチ入りできる選手は、ペナントレース同様、一軍登録された29人のうちの25人までです。
ただし、8月31日までに支配下登録されている必要があります。
★日本シリーズ
試合中にベンチ入りできる選手は、ペナントレース同様、一軍登録された29人のうちの25人までです。
シリーズ開幕前に出場有資格者選手名簿の40人に登録されている必要があります。
★特例2023
2023年は、感染症による生活様式の変化に伴い、一軍登録は31人まで、ベンチ入りできる選手も26人に緩和されています。
外国人の一軍登録も5人まで緩和されていますが、5人全員を投手にしたり野手にしたりできません。
登録抹消
ケガや体調不良、成績不振で出場選手登録(一軍登録)が抹消されることを「二軍落ち」と言います。
二軍落ち
出場選手登録を抹消されると、10日間は再登録ができません。
ただし、出場選手登録を抹消された後にトレードされた場合は除きます。
ペナントレースとクライマックスシリーズの間など、10日以上空くと全選手を出場選手登録を抹消することがあります。
登録抹消の例外措置
引退試合選手登録特例措置
2017年シーズン途中から、引退試合を行う選手に対してこの措置が導入されました。
この特例措置では、1日限定で出場選手登録の人数制限を超えて登録が可能となります。
引退試合選手として登録できる選手の数には制限はありません。
この登録を受けた選手は次の日に自動的に登録抹消され、その後はリーグ公式戦(クライマックスシリーズ含む)終了まで再登録できません。
日本シリーズではこの制度が適用されず、登録が可能となります。
また、登録後にその試合が中止となった時は、球団が指定する日にもう一度登録することができます。
脳震盪(のうしんとう)登録抹消特例措置
2016年シーズン途中から、試合中のプレーなどで脳震盪を起こし、出場選手登録が抹消された場合に、規定の10日間を経過しなくても再登録が可能となる特例措置が導入されました。
この特例では、出場選手登録を抹消する時に代わりの選手を登録することができます。
抹消された選手が10日以内に復帰した時には、代わりに登録された選手は出場選手登録を抹消されます。
ただし、この選手は、抹消から10日間経過しなくても再度出場選手登録できます。
一軍登録と支配下登録、この違いを理解することがプロ野球の奥深さを知る鍵です。
各チームの戦略と選手の動きを追う上で、これらの情報は非常に重要です。
メジャーリーグとプロ野球の一軍登録の比較
メジャーの試合でプレー可能な選手枠をアクティブ・ロースター(active roster) と呼びます。
ロースターとは、チームの公式戦に出場できる資格を持つ選手登録枠のことです。
ちなみに、メジャーリーグには一軍や二軍というものはなく、メジャーチームの傘下に別個にマイナーチームがあります。
ロースター
メジャーリーグの場合、2種類のロースターがあります。
26人枠 (26-man roster)
シーズン開幕から8月31日までの公式戦とポストシーズン中は、この26人枠が自動的にアクティブ・ロースターとなります。
選手がシーズンで初めてアクティブ・ロースターに登録されるとき、次のいずれかに区分されます。
- 投手(Pitcher)
野手やDHとしても出場可能
シーズン中の野手への登録変更は不可 - 野手(Position Player)
以下のとき投手として登板可能
1. 延長戦
2. 相手チームに8点以上リードされているとき
3. 9回の時点で10点以上リードしているとき - 二刀流(Two-Way Player)
1. 投手として20イニング以上投げている
2. 野手やDHとして3打席以上の試合が20以上
そのシーズンか直前のシーズンで1と2の条件を両方満たせば、二刀流として投手・野手・DHとしていずれでも出場できます。
二刀流が認められると、投手として負傷者リストに登録されても、野手やDHとして出場することができます
40人枠 (40-man roster)
40人枠の選手は全員がメジャー契約を結びます。
ポストシーズンに出場するには、原則8月31日時点で40人枠内に入っていなければなりません。
40人枠のうち26人枠に含まれない選手は、マイナー契約の選手たちと一緒にメジャーから声がかかるのを待ちながらマイナーでプレイします。
プロ野球で言えば、26人枠が一軍登録、40人枠が支配下選手枠という感じでしょうかね。
セプテンバー・コールアップ (September call-up)
9月1日以降、レギュラーシーズン中のアクティブ・ロースターの枠が28人に拡大されます。
ダブルヘッダーに伴う追加
8月31日までのダブルヘッダー開催日のみ、アクティブ・ロースターに1人追加登録することができます。
登録リスト
アクティブ・ロースターの選手が試合出場不可能となったとき、以下のリストに登録してロースターの人数勘定から外すことができます。
これによって枠が空き、代わりの選手を40人枠や傘下のマイナー組織などから補充します。
故障者リスト (Injured List:IL)
公認の医師にケガや疾病のために試合出場ができないと診断された選手を登録します。
次の3種類があります。
- 10日間IL:野手のみ登録できます
- 15日間IL:投手と二刀流選手のみ登録できます
- 60日間IL:40人枠がいっぱいの場合のみ登録できます。
忌引リスト (Bereavement List)
家族(2親等内の血族、配偶者とその両親)に不幸があったとき、3日以上7日まで登録できます。
家族救急リスト (Family Medical Emergency List)
家族(2親等内の血族、配偶者およびその両親)に救急医療の必要が生じたとき、3日以上7日まで登録できます。
忌引きだけでなく、家族が急病になった時も対応してくれるんですね。
父性リスト (Paternity List)
家族の出産立ち会い、産後の母子の世話などの理由で24時間以上72時間まで一時離脱できます。
これは、ぜひプロ野球だけでなく日本社会全体にも取り入れてほしいですね。
制限リスト (Restricted List)
- MLB機構から出場停止処分を科されたとき
- 卒業までの学業優先や休職要望
- 無断離脱や行方不明
- チーム内での不祥事や揉め事
プロ野球とMLBの違い:一軍登録人数のまとめ
プロ野球の一軍登録人数は29人です。
2023年は、感染症対応のため「2023特例」によって31人に緩和されています。
プロ野球の1軍登録人数は、シーズンごとに変わることがあります。
2024年はどのような変更があるのか、ファンならずとも注目のポイントです。
これらの変更は、チーム戦略に直接影響を及ぼし、シーズンの展開を左右することも。
最新の情報を追いかけることで、試合観戦がさらに面白くなりますよ。
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