この記事では、MLBの球場の特徴を紹介します。
画一化されたような日本のプロ野球の球場と違って、個性たっぷりのMLBの球場は、それぞれが特徴を持っています。
ここでは、MLBの各球場のフィールドの形を紹介しながら、それぞれの特徴を解説していきます。
- MLBアメリカン・リーグ:打者有利な球場特徴
- エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム(Angel Stadium of Anaheim)
- オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム(Oakland-Alameda County Coliseum)
- T-モバイル・パーク(T-Mobile Park)
- グローブライフ・フィールド(Globe Life Field)
- ミニッツメイド・パーク(Minute Maid Park)
- ギャランティード・レート・フィールド(Guaranteed Rate Field)
- プログレッシブ・フィールド(Progressive Field)
- コメリカ・パーク(Comerica Park)
- カウフマン・スタジアム(Kauffman Stadium)
- ターゲット・フィールド(Target Field)
- オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ(Oriole Park at Camden Yards)
- フェンウェイ・パーク(Fenway Park)
- ヤンキー・スタジアム(Yankee Stadium)
- トロピカーナ・フィールド(Tropicana Field)
- ロジャーズ・センター(Rogers Centre)
- MLBナショナル・リーグ:スタジアムとそのパークファクター
- チェイス・フィールド(Chase Field)
- クアーズ・フィールド(Coors Field)
- ドジャー・スタジアム(Dodger Stadium)
- ペトコ・パーク(PETCO Park)
- オラクル・パーク(Oracle Park)
- リグレー・フィールド(Wrigley Field)
- グレート・アメリカン・ボール・パーク(Great American Ball Park)
- アメリカンファミリー・フィールド(American Family Field)
- PNCパーク(PNC Park)
- ブッシュ・スタジアム(Busch Stadium III)
- トゥルーイスト・パーク(Truist Park)
- ローンデポ・パーク(LoanDepot Park)
- シティ・フィールド(Citi Field)
- シチズンズ・バンク・パーク(Citizens Bank Park)
- ナショナルズ・パーク(Nationals Park)
- パークファクター解説:MLB球場のホームラン傾向
- MLBの球場の特徴:まとめ
MLBアメリカン・リーグ:打者有利な球場特徴
アメリカン・リーグの球団が本拠としている球場を紹介します。
MLBのアメリカン・リーグには、打者に有利な球場が多く存在します。
例えば、エンゼル・スタジアムは左打者にとって不利だったライトフェンスが低くなり、ホームランが出やすくなりました。
ファンの皆さんも、各球場の特徴を知ることで、試合の楽しみ方が広がるでしょう。
エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム(Angel Stadium of Anaheim)
本拠とする球団:ロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)
1966年開場
左中間に比べて右中間は狭いが、ライトフェンスが5.5mと高いため、左打者には不利とされていました。
2018年からライトフェンスのホームランの規定が変更され、レフトと同じ2.4mメートルとなったため、パークファクターからもホームランの出やすい球場となりました。
オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム(Oakland-Alameda County Coliseum)
本拠とする球団:オークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)
1966年開場
MLBの球場の中では、ファウルグラウンドが最も広くなっているため、ファウルフライが客席まで届かず、守備に捕られてアウトになることが多くなっています。
ホームランも出にくく、2010年のパークファクターは、30球場中28位の.0701で、投手に有利な球場です。
T-モバイル・パーク(T-Mobile Park)
本拠とする球団:シアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)
1999年開場
フィールドが広く、特に左中間が深いため、守備範囲が広く強肩の外野手が求められ、右打者は苦戦します。
シアトル特有の湿った気候のため、打球が失速しやすく長打が出にくく、パークファクターでも「ヒットが出にくい球場」というデータが出ています。
2013年に、フィールドを縮小させ、16ft(約4.8m)あった左翼の壁は、8ft(約2.4m)に低くして、フェンスを超える打球を捕りやすくしています。
グローブライフ・フィールド(Globe Life Field)
本拠とする球団:テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)
2020年開場
テキサス州では気温が高く、空気が乾燥していることからボールが飛びやすい打者有利の球場とされています。
前本拠地チョクトー・スタジアムと比べて左中間フィールドが浅く、センター方向が深くなっています。
MLBでは珍しく人工芝を使用しています。
フィートでの寸法の下2桁は、レンジャーズの永久欠番や球団史の重要な年に因んでいます。
左翼線 | 329 ft. | エイドリアン・ベルトレ | 永久欠番:29 |
左翼線内 | 334 ft. | ノーラン・ライアン | 永久欠番:34 |
左中間 | 372 ft. | 1972年のレンジャーズ | アーリントンで初シーズン |
最遠距離 | 410 ft. | マイケル・ヤング | 永久欠番:10 |
センター | 407 ft. | イバン・ロドリゲス | 永久欠番:7 |
右中間 | 374 ft. | 1974年のレンジャーズ | アーリントンで初勝ち越し |
右翼線 | 326 ft. | ジョニー・オーツ | 永久欠番:26 |
本塁からバックネット | 42 ft. | ジャッキー・ロビンソン | MLB全球団の永久欠番:42 |
ミニッツメイド・パーク(Minute Maid Park)
本拠とする球団:ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)
2000年開場
ユニオン駅という歴史的建造物が隣接しているため、外野は左翼が右翼に比べて浅く、左中間にもふくらみがないため、右打者にホームランが出やすくなっています。
グラウンド内にあるポールは、かつて多くのアメリカの球場ではグラウンド内にポールが立っていた事に由来しているといわれています。
ギャランティード・レート・フィールド(Guaranteed Rate Field)
本拠とする球団:シカゴ・ホワイトソックス(Chicago White Sox)
1991年開場
左右対称に近いフィールド形状で、左中間と右中間の膨らみが少なく、フェンスも2.4mと低いため、本塁打が出やすいです。
内野の土やホームプレートは旧球場のものを使っています。
プログレッシブ・フィールド(Progressive Field)
本拠とする球団:クリーブランド・ガーディアンズ(Cleveland Guardians)
1994年開場
パークファクターとしては投手有利の球場ですが、気候が温暖になると右翼方向へ風が吹くようになり、左打者の長打が多くなります。
センターからレフトにかけて、高さ5.8mのフェンスが立っていて、これはフェンウェイパークのグリーンモンスターを真似たもので「リトルグリーンモンスター」と呼ばれています。
コメリカ・パーク(Comerica Park)
本拠とする球団:デトロイト・タイガース(Detroit Tigers)
2000年開場
MLBの球場の中で、外野が最も広い球場の一つで、三塁打が多く本塁打が出にくくなっています。
センターからライトにかけて、外野フェンスにいびつな形をした部分があるため、クッションボールの処理を誤ると長打になってしまいます。
外野があまりに広かったため、2003年に左中間を395フィート(約120.4メートル)から370フィート(約112.8メートル)へと変更しています。
カウフマン・スタジアム(Kauffman Stadium)
本拠とする球団:カンザスシティ・ロイヤルズ(Kansas City Royals)
1973年開場
MLBの球場としては珍しく左右対称です。
2004年から外野フェンスを10フィート(約3メートル)後方に下げたことで、本塁打は出にくく、三塁打が出やすくなっています。
ターゲット・フィールド(Target Field)
本拠とする球団:ミネソタ・ツインズ(Minnesota Twins)
2010年開場
かつて、ツインズは「メトロドーム」を使用していましたが、2010年に「ターゲット・スタジアム」に本拠地を移しました。
屋根に覆われ人工芝であったメトロドームに対して、ターゲット・スタジアムでは「屋根なし、天然芝」が特徴となっています。
オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ(Oriole Park at Camden Yards)
本拠とする球団:ボルチモア・オリオールズ(Baltimore Orioles)
1992年開場
レンガと鉄骨を組み合わせた外観、左右非対称のフィールドなど、新古典主義を初めて取り入れた球場です。
右中間までが遠く、高さ25フィート(約7.6メートル)のフェンスもあるため、左打者の本塁打が出にくくなっています。
夏場は、風の影響で打球がレフト方向へ飛びやすくなり、右打者にはやや有利です。
内野の芝は長めにカットされていて、打球速が遅くなるので内野手には肩の強さが必須です。
フェンウェイ・パーク(Fenway Park)
本拠とする球団:ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)
1912年開場
市内の限られた沼地に建てられたため、変則的な形状となっていますが、建設当時は、都市部の狭い空き地に建てられたため、変則的形状の球場はごく当たり前でした。
本塁から左翼までが310フィート(約94.5メートル)しかなく、さらに左中間へ直線的に延びているため、極めて浅い球場です。
そのため容易に本塁打が出るのを防ぐため、グリーン・モンスター(Green Monster)と呼ばれる高さ37フィート(約11.3メートル)の巨大なフェンスが設置されています。
グリーン・モンスターのすぐ後方には道路と建物があり、これ以上の拡張はできません。
逆に右中間は深くなっていますが、右翼はフェンスが低い上にスタンドが張り出していて、また右翼線は302フィート(約92.0メートル)と左翼より狭いので、ライナー性の当たりが本塁打になりやすくなっています。
中堅は、最深部が420フィート(約128.0メートル)と深く、その形からザ・トライアングル(The Triangle)とも呼ばれています。
また、ファウルグラウンドが非常に狭く、ファウルフライのアウトは少なくなっています。
ヤンキー・スタジアム(Yankee Stadium)
本拠とする球団:ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)
2009年開場
外野フェンスが左右非対称な形状をしていて、右翼側が狭くなっているため、旧スタジアム時代から左打者に有利なことで知られてきました。
MLBの全本拠地球場の中でも一試合辺りの本塁打数が著しく多い球場で、その大半がライトスタンドに入っており、左打者にとって極端に有利な球場とみなされています。
2009年の開場以降、ヤンキースのホームでの本塁打は、ロードの約1.5倍になっています。
トロピカーナ・フィールド(Tropicana Field)
本拠とする球団:タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)
1990年開場
メジャー唯一の密閉式ドーム球場です。
以前は、アイスホッケーやアメフトをはじめ、バスケットボールやテニス、自動車レースなどの競技が行われていましたが、野球専用化に伴い、選手の負担を考慮して最新式の人工芝(フィールドターフ)を導入し、ダイヤモンドを除く内野部分はアンツーカーへと改装されました。
ロジャーズ・センター(Rogers Centre)
本拠とする球団:トロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)
1989年開場
1990年代以降、MLBでは珍しくなった左右対称の球場です。
右中間と左中間があまり深くないため、本塁打が出やすく、パークファクターでは、毎年のようにリーグワーストを争っています。
MLBの球場としては、珍しく人工芝が敷かれていて、打球の速度が速くなってしまうことから、外野の間を抜ける打球が多くなり長打が生まれやすい球場です。
以前から天然芝導入を検討していますが、まだ実現に至っていません。
MLBナショナル・リーグ:スタジアムとそのパークファクター
ナショナル・リーグの球団が本拠としている球場を紹介します。
特にドジャースタジアムは、その広いファウルグラウンドと外野の広さから、伝統的に投手有利とされています。
しかし、改修工事により、打者有利に変わる傾向も見られます。
球場ごとの特性を知ることで、選手たちの戦略やファンの応援にも影響を与えますね。
チェイス・フィールド(Chase Field)
本拠とする球団:アリゾナ・ダイヤモンドバックス(Arizona Diamondbacks)
1998年開場
フィールドの広さの割に本塁打が出やすく、ライト方向に風が吹く傾向にあります(夏場は屋根が閉められるため傾向は薄れます)。
外野フェンスが複雑な形状をしているため、MLB30球団の本拠地としては、最も三塁打が出やすい球場です。
クアーズ・フィールド(Coors Field)
本拠とする球団:コロラド・ロッキーズColorado Rockies
1995年開場
外観を赤レンガと鉄骨を組み合わせた典型的な新古典様式の球場です。
フィールドが広いために長打も出やすく、外野手が深めのシフトで守ればシングルヒットになり、フライでアウトを取る割合が多い投手にとっては難しい球場です。
ドジャー・スタジアム(Dodger Stadium)
本拠とする球団:ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)
1962年開場
1990年代以降のMLBでは珍しい左右対称の球場です。
外野やファウルグラウンドが比較的広いため、当初から投手有利とされていました。
改修工事でファウルグラウンドを狭めてからは、この傾向が弱まり、多少は打者有利になると言う状態になったものの、依然として投手有利と評価されています。
ペトコ・パーク(PETCO Park)
本拠とする球団:サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)
2004年開場
外野が広いうえに複雑な形状で、特に右中間が深く、左翼方向も海風の影響を受けるため本塁打が出にくく、投手有利の球場として有名です。
パークファクターの本塁打率では、毎年のように最下位を争っています。
守備範囲が広くて強肩の外野手が必須である状況が続いたため、2012年に右中間を狭くする改修工事が行われました。
オラクル・パーク(Oracle Park)
本拠とする球団:サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)
2000年開場
本塁から左翼まで339フィート(約103.3メートル)あるのに対し、右翼までが309フィート(約94.2メートル)しかないため、右翼方向のフェンスは高さ25フィート(約7.6メートル)もあります。
さらに右中間は最深部が420フィート(約128メートル)もあり、これは中堅より長くなっています。
この独特の構造と海からの向かい風のため、打者に不利な球場で、特に左打者は非常に不利です。
本塁打のパークファクターが1を超えた年は無く、打者不利であることが裏付けられています。
リグレー・フィールド(Wrigley Field)
本拠とする球団:シカゴ・カブス(Chicago Cubs)
1914年開場
シカゴは、ミシガン湖から季節風が吹き付けるため「風の街」と呼ばれ、リグレー・フィールドでも風の影響を受けやすくなっています。
風向きによって打者有利になったり投手有利になったりしますが、ファウルグラウンドが狭く、基本的には打者有利の球場とされています。
左翼と右翼のポール際は、そこだけ奥へ窪んだようなに外野が深くなっていますが、フェンスが直線的な形状をしているので、全体的には、あまり深くありません。
外野フェンスにツタが生い茂っていて、打球がこのツタの中に入り込むと、球場特別ルールで二塁打(エンタイトル・ツーベース)になります。
グレート・アメリカン・ボール・パーク(Great American Ball Park)
本拠とする球団:シンシナティ・レッズ (Cincinnati Reds)
2003年開場
以前の本拠地リバーフロント・スタジアムよりかなり狭く造られています。
ファウルゾーンが狭く、右中間や左中間にふくらみがないので、ホームランバッターに有利ですが、芝が長いため、内野ゴロを打たせた場合は投手有利となります。
アメリカンファミリー・フィールド(American Family Field)
本拠とする球団:ミルウォーキー・ブルワーズ(Milwaukee Brewers)
2003年開場
左右非対称のフィールドは「球団史上最高の選手」との呼び声高いロビン・ヨーントが設計しました。
旧球場ミルウォーキー・カウンティ・スタジアムは左中間・右中間がそれぞれ392フィート(約119.5メートル)もありましたが、アメリカンファミリー・フィールドでは短くなっていて、「バッターの天国」と呼ばれています。
PNCパーク(PNC Park)
本拠とする球団:ピッツバーグ・パイレーツ(Pittsburgh Pirates)
2001年開場
左中間が大きく膨らんだ形状であり、守備力に優れた左翼手が必須で、逆に右中間フェンスが21フィート(約6.4メートル)高くなっています。
そのため、投手有利とされることが多いですが、球場の大きさ自体は平均的で、それほど本塁打が出にくい訳ではありません。
ブッシュ・スタジアム(Busch Stadium III)
本拠とする球団:セントルイス・カージナルス St. Louis Cardinals
2006年開場
レンガと鉄骨を使用した典型的な新古典主義の球場で、投手有利の球場で、パークファクターでも毎年上位にランクインしています。
トゥルーイスト・パーク(Truist Park)
本拠とする球団:アトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)
2017年開場
前本拠地のターナー・フィールドに比べて左翼方向が広く、逆に右翼方向は狭くなっています。
ローンデポ・パーク(LoanDepot Park)
本拠とする球団:マイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)
2012年開場
球場全体は四角く、レフト方向の外野席は膨らみがほとんどありません。
天然芝を敷いてあるグラウンドは特異な形をしているうえに、外野中央部のやや左にフェンスが丸くフィールドへと張り出した部分があり、この独特の形状は、守備側に有利な設計となっています。
旧本拠地では、左中間奥にアメフト用スタンドが収納されていて、野球場としては、その窪みは異様に深く(約130m)、マイアミ沖の海の難所名にかけてバミューダ・トライアングルと呼ばれていましたが、新球場でも再現しました。
シティ・フィールド(Citi Field)
本拠とする球団:ニューヨーク・メッツ(New York Mets)
2009年開場
近くに空港があるため、日によって風向きが変わり、本塁打があまり伸びない傾向にあります。
右中間は左中間と比べて5m程深くなっていますが、特に左打者不利ということはありません。
開場以来2度(2012年、2015年)外野フェンスを前に出したため、投手有利から中立的な球場になりました。
シチズンズ・バンク・パーク(Citizens Bank Park)
本拠とする球団:フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)
2004年開場
レンガと鉄骨を組み合わせた外観や左右非対称のフィールドという典型的な新古典主義の野球専用球場です。
センター最深部があまり深くなく、そこから両翼のポールまで一直線になっている為、右中間と左中間ともに狭いうえに、打者にとって向かい風も少ないので、本塁打の出やすい球場です。
また、外野フェンスが鋭角的な設計になっているため、角にあたったクッションボールの処理が難しく、長打になってしまうこともあります。
ナショナルズ・パーク(Nationals Park)
本拠とする球団:ワシントン・ナショナルズ (Washington Nationals)
2008年開場
ワシントンが桜の名所ということで、レフト後方には桜並木が作られていて、春には花見をしながら野球観戦をするという贅沢を味わうことができます。
こちらでは、MLB球場を一覧で見ることができます。
パークファクター解説:MLB球場のホームラン傾向
ここまで、MLB全30球場の特徴を紹介してきましたが、「ときどき出てくるパークファクターってなに?」と思われた方も多いと思いますので、解説します。
パークファクターは、球場ごとの得点傾向を数値化したものです。
この数値を知ることで、どの球場がホームランに有利か、または投手に有利かが分かります。
ファンの皆さんも、この情報を元に、試合の予想や分析を楽しむことができますよ。
パークファクターとは
{(A球場でのB球団本塁打+A球場でのB球団被本塁打)/A球場での試合数}/{(A球場以外の球場でのB球団本塁打+A球場以外の球場でのB球団被本塁打)/A球場以外の球場での試合数}
という計算式で表します。
これだけだと、よっぽど数学が得意な人じゃないと、何のことか分かりにくいですよね。
パークファクターの計算のしかた
では、例として具体的に
- A球団に「ヤンキースタジアム」
- B球場に「ニューヨーク・ヤンキース」
と代入していきましょう。
最初の(A球場でのB球団本塁打+A球場でのB球団被本塁打)は(ヤンキースタジアムでのニューヨーク・ヤンキースの本塁打+ヤンキースタジアムでのニューヨーク・ヤンキースの被本塁打)となります。
つまり、敵味方関係なく、ヤンキースタジアムで放たれた本塁打の合計です。
その次の「A球場での試合数」は「ヤンキースタジアムでの試合数」となります。
すると、ヤンキースタジアムで放たれた本塁打の合計をヤンキースタジアムでの試合数で割ることになるので、「ヤンキースタジアムでの1試合あたりの本塁打数」が分かります。
次に(A球場以外の球場でのB球団本塁打+A球場以外の球場でのB球団被本塁打)は、(ヤンキースタジアム以外でのニューヨーク・ヤンキースの本塁打+ヤンキースタジアム以外でのニューヨーク・ヤンキースの被本塁打となります。
つまり、敵味方関係なく、ヤンキースタジアム以外で放たれた本塁打の合計です。
その次の「A球場以外の球場での試合数」は「ヤンキースタジアム以外の球場での試合数」となります。
すると、ヤンキースタジアム以外で放たれた本塁打の合計をヤンキースタジアム以外での試合数で割ることになるので、「ヤンキースタジアム以外での1試合あたりの本塁打数」が分かります。
パークファクターの計算でわかること
そして最後に、「ヤンキースタジアムでの1試合あたりの本塁打数」を「ヤンキースタジアム以外での1試合あたりの本塁打数」で割るので、ヤンキースタジアムとヤンキースタジアム以外の本塁打の比率が分かります。
ここで出た数字が
ということになります。
ちなみに、パークファクターの計算式の「本塁打」を「安打」「二塁打」「三塁打」に変えれば、同じように「安打」「二塁打」「三塁打」の出やすさ・出にくさが分かります。
各球場のパークファクターは、こちらで見ることができます。
MLBの球場の特徴:まとめ
この記事では、MLBの球場の特徴を紹介しました。
最近では、「新古典主義」とよばれる建築様式が流行りとなっていて、新しく造られる球場を、あえて昔のような歪なフィールドにしています。
これも、野球という文化がアメリカ国民に深く浸透していて、最新の球場よりもレトロ回帰を好むファンが多いという事でしょうね。
それにしても、開場から100年以上が経過したフェンウェイ・パークやリグレー・フィールドが、いつ改築されて、どんな球場になるのでしょうか?
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